エントリ80で書いたことの関連・敷衍・続きになるが、、今回は改めて別カテ
ゴリ — 久しぶりの「時事エッセイ」のカテゴリで、ウェブ全体の劣化に関わる
1トピックについて語ってみよう。
タイトルにある「ダメなサイト」というのはたいていのあなたが日頃喜んで観て
いる多くのサイトであり、「ダメな検索者」というのはたいていのあなたが1日
あたり2分、10分、25分... 人によっては1時間もそうであるような検索者のこと
である。
もちろん、ごくごく少数の「あなた」だけは、のべ5時間の間に1分たりとも「ダ
メな検索者である」時間を持たない、ということもあり得る。
ちなみに私自身はと言えば、1年間に1分たりともダメな検索をしないし、一生に
5分たりともダメな検索をしないであろう — その代わりに、常に、一瞬一瞬自覚
的に、相応の注意・配慮・警戒を怠ることなく、ドンピシャの有用で有効な検索
だけを行う。
それは実は、どのあなたにも、どこの誰にでも、やろうと思えばやれることだ。
ダメな検索をする人間が10万人もいず、ダメな検索が為される回数が(たとえば
日本列島上で)1年にせいぜい1億回程度にとどまるようであれば、グーグル検索
結果ページの上位にダメなサイトが出てくることは2年も経たない内になくなるだ
ろう。
これはグーグル公式のウェブマスター・ヘルプ・フォーラムでもツイッターの
いわば「有識者」レヴェルの多くのアカウントのツイートでも多く言及されて
いることだが、日本語ウェブ・ページにはどうしようもないサイトのどうしよ
うもないページがびっくりするくらいの高い割合で存在する。
そしてその「どうしようもないサイト」「どうしようもないページ」の多くが
「その道のプロ企業」「プロIT企業」によって組織的にシステマティックに量
産されている。
代表的なものをざっと挙げるなら、『WELQ ウェルク』『MERY メリー』
『LAUGHY ラフィ』といったところで、多くがDeNAの運営による。
これらのサイトにはひとつとして有用・有益・興味深い・独自性のある記事な
どないのだが、どういう訳か、多くの検索行為に対する検索結果ページの上位
にあがってくるのが見受けられる、らしい。
「らしい」というのは、私自身では今まで1度もこれらの屑サイトの屑ページ
を検索結果で見かけたことすらないからなのだが、聞き(読み)及ぶところに
よれば、これらの屑サイトを喜んで読む者が日本には200万人から1200万人
ほどいるとかいないとかで、もちろんそうであればこそ、「悪貨は良貨を駆逐
する」の法則どおり、本来ならグーグル検索ページの200位や4000位に位置
できれば御の字のはずのこれらのサイトの各ページが1位だったり5位だったり
に位置するというナンセンス状況が存在するのである。
本来なら日本中でもせいぜいで50人ほどの、もっとも遅れたもっとも愚かで
もっとも勉強不足でもっとも退屈で、したがって周りの誰からも相手にされ
ないどうしようもない人間しか読まないはずのこれらのサイトの記事が、グ
ーグル検索ページの上位に現れるのはなぜだろうか?
(30秒から5分、あなた流の解答を考える時間あって —)
そう、もちろん、どうしようもない人間がどうしようもない検索やアプリや
リンクからどうしようもない知力の欠如にしたがって、このどうしようもな
いサイト/ページの数々を嬉々として観ているからである。
グーグル検索システムというものは、あるがままをあるがままに映す鏡のよ
うなものであり、どうしようもない100万人がどうしようもないサイトを1日
にのべ150万ページも600万ページも観ていれば、そのどうしようもないサイ
トは大人気の、重要な、検索上位にあって然るべき、1流のサイトとして扱わ
れる。


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