「個人事業主」に関するよくある誤解
カテゴリ: 確定申告
例年どおり、「確定申告」「開業届」に関してのソワソワザワザワが無知で無
頓着な、それでいて「損することは嫌い、得することが好き」な各種アフィリ
エイターの間に起こり始めるこの季節。
今エントリでは
「『個人事業主』ってやつになりたいのはヤマヤマだが、一旦そうなった場合
の義務A、義務B、義務C... や、税務署を相手にする場合の質疑応答で自分の資
格・資質・理解が問われるのがコワ〜い。くわばらくわばら」
みたいな人が、このブログの読者の内にまだ万が一にでももしいたら、と考え、
その誤解/無理解/不安/ビビりを解消せしめるために、やらずもがなの1エント
リを物しておく。



まずは過去エントリ
確定申告、する?しない?
「アフィリエイターの確定申告」など開業届を出していなければ無駄なだけ
したりしなかったりの確定申告?そんなものはない
涙なしの個人事業開始フロー
涙なしの、造作もない開業届
年末年始に開業届、その前に
を読んでもらった上で
今回のトピック —
「個人事業主になる」ことは何かそんなに特別なことか
— を改めて語っていこう。
素早く結論を予告しておけば、個人事業主になることは、何ら特別なことでも
ない、フツーの、造作もなくできる、完全に合法的な納税行為の一部であり、
国民の当り前の権利の行使の一部であり、賢く合理的な人間にとってのたとえ
ば「自転車を使うこと」くらいに、日常に即した快適で実効性のある行為であ
る。



まず
「個人事業主になるにはこれこれの資格や資格証明が要るのではないか」
「個人事業主になったらこれこれの義務を負うのではないか」
という、コドモっぽくアホくさい間違いを正そう。

個人事業主に義務があるとすれば、たったひとつだけ — 毎年確定申告を行う、
という義務くらいだ。
これはご大層で面倒なことではけっしてない。
もし「その個人事業でその1年、何もやらない/ほとんど何もやらない」場合
は、その人は「書式の埋めるべき空欄を埋める」だけで確定申告が完結しよう。
住所、氏名、兼給与所得者だったら給与所得者なら誰だって支払者から受ける
情報(主に数字)、などの疑いようも間違いようもない文字群だけで。
その「事業」で収入0円、経費0円、所得0円、だった場合、その人は「給与所
得者としての当り前に埋めるべき/埋められる空欄」をただ埋めるだけである。
つまりは、個人事業主になったからといって「やってもいないし知りもしない
ことを何かしら、義務感から、書くべきでないし書きようもないのに、書く」
なんてことは絶対にないので、難しいことなど何もあり得ようもないのだ。
遣ったカネ、入ってきたカネ、その名目 — 現実にあったことを書くのは何も
個人事業主に限った難しい義務ではない。

そしてこれは、「個人事業主になるにはこれこれの資格や資格証明が要るのでは
ないか」というもうひとつの馬鹿げた疑問への答えにもなっている。
「申告納税制(さんざ既出)」の原理から、あなたが「自分はこれこれの個人事
業主です」と宣言・申告すれば、もうあなたはそれそれの個人事業主である。
以下、極端でそれゆえ端的に説明の益になる例を、私のお気に入り:漫画家を使
って簡便に語ろう(これもたしかさんざ既出)。

少なくともこのブログを読んだり、アフィリエイトをやったりしている人に限
れば、漫画家に絶対にならない人間、漫画家に絶対になれない人間は日本中に
ひとりたりともいない。
「その気になれば」あらゆる人間が未来のある日ある年、漫画家になり得る
ろう。
私がこう言う時のその「漫画家」像は、世間一般で謂う「漫画家」と合致して
いる必要はない。
今、この時、2015年11月、あなたが「将来のいつの日かに、4コマ漫画を描
いてひとつ地元のミニコミ誌に売る人」になろうと少しでも思うなら既にあな
たは漫画家である
これが税法で謂うところの漫画家である — 漫画家として開業届を出した人はそ
の瞬間からもう漫画家であるのだ。

これはたとえば、次のようなシミュレーション思考をちょいと走らせてみれば、
論理的に妥当な唯一の正しい結論=税務署/税法がそれゆえに妥当・正当として
いる理由に辿り着ける。
問い)漫画家志望者Aさんはとある3年間の努力&経費(のべ15万円)の結果、
4年めにして漫画1作があるコンテストで「入賞」し、賞金10万円を手にした —
この時、この10万円にはどういう課税が為されるか
答え)Aさんが漫画家として開業届を出していなければ、端的には10%1万円
の所得税が掛かる。開業届を出していれば経費や過去からの損失の繰り越しや
で相殺分が生まれ所得と所得税は限りなく0円に近づく

上記は「細部」を思いっきり端折った原則論だが、「開業届を出した法的な意
味での事業所得者(個人事業主)」と「世間一般での日常用語としての『自営
業者』『副業家』」が税法的にどれだけ異なるものかを示す簡便で判りやすい
論である。
「『漫画家』として開業届を出したのに、ある1年やある2年、収入が1円もな
かったら漫画家として認められないんじゃないの?」
— 世間一般なり家族友人知人なりなら確かに「漫画家として認めない」かもし
れないが、税務署/税法は認める。
それが「申告納税制」なのだから。



話を戻して。
例を漫画家に採ろうがアフィリエイターに採ろうが、論の根本にさしたる変わ
りなどそもそもない — すべては税法/納税者の権利の根本原理の表れであり、
「漫画家向けの税法」「アフィリエイター向けの税法」なんてものが100も2
00も1万も5万も個別にあるわけではないのだから。
アフィリエイターとして経費(や労力や時間)を「損した」時には損したままで、
「得した」時には得した分にきっちり税金を掛けられる — そういうことが好き
だという人にまで、私は物を言う気はない。



さて。
アプローチを変えてはみたものの、屋上屋、語り直し、繰り言になったきらい
は自分でも感じる。
これまた例によって例のごとくだが、「なんでお前はそう確信を持って言い切
れるんだ?信じない、まだ信じないぞ!」という人には、きたみりゅうじ・北
野弘久両氏(無関係だが)の、いつもの2作をおすすめしておこう。

 



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2015.11.07 / コメント:: 0 / トラックバック:: - / PageTop↑


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