アフィリエイターにとっての「経費」の考え方
カテゴリ: 確定申告
時節柄、今回も確定申告/個人事業主ネタで —

このブログでしつこいくらいに言ってきている「アフィリエイターでも開業届
くらいは出し、造作もないこととして個人事業主くらいなり、事業に必要な経
費の計上くらい当り前に鼻歌混じりにやり、よってもって妥当な納税行為くら
いやって、『税金を安くあげる』ことくらいやればいいのに」に臆病心から尻
込みを感じる人に向けて、今回は特に「経費」のことを簡便にながら素早くド
ラスティックな理解のために語ってみよう。



「個人事業主」は何の「プロ」でもない。
「何らかのプロである個人事業主」がいるからといって、全ての個人事業主が
何らかのプロである必要・義務要件はない。
(そんなことが可能なら/そんな人はいないだろうが)河原などで厳選して拾い
集めてきた綺麗な小石を、商品として友人知人やツテを辿っての他人に売る —
みたいな商売をあなたがやる場合、あなたがその旨を開業届によって申請した
ならば、その瞬間からあなたは「小石売り」という個人事業主になる。
それのどこが難しいだろうか?
実際問題としては、そんな人は10万人に1人だとか400万人に1人だとか2500
万人に1人だとか今現在日本国中にただ1人だとか0人だとかかもしれないが、
だからといってそういう商売/個人事業を、税法や税務署が禁止していたり取り
締まったり否認・却下したりするわけではない — 「申告納税制」の原理と憲法
上の「幸福追求の権利」の原理があるからである。
したがって、「個人事業主とやらになったら、なんやらものすご〜く『プロ』っ
ぽい法律的ななんやかんやの縛りでなんやかんやの難しいことをやるのを強制・
要求されまいか」みたいな、能無しゆとりみたいなおかしな危惧を抱く必要はい
っさいない。



さて。
申告納税制の原理/原則から、あなたが上記のような「小石販売業 涙なし屋」
と業種と屋号を申請して受理されれば(※1)、たとえばあなたは1回120円x2
(往復)で240円の電車賃を、土日x4週で月1920円、年あたりおよそ2万3千
円を「経費として計上」することも可能だ。
そして —
・あなたが小石を月平均4千円分、年4万8千円分売り上げた場合
・あなたが小石を月平均2千円分、年2万4千円分売り上げた場合
・あなたが小石を月平均500円分、年6000円分売り上げた場合
・あなたが小石を月平均0円分、年0円分売り上げた場合
では、税務署/税法側の出方・捉え方・考え方が変わってき得る。
下から、年0円、年6000円の売り上げにとどまる場合、それは損失=赤字を敢え
て出すための、偽装の、営まれていない架空の「事業」ではないか、と疑われる
のである。
この場合、その年2万3千円の電車賃(経費)は経費として「否認」されること
になり、収入=100%所得でそれぞれ所得0円、所得6000円とみなされよう。
ちなみに、上2例では収入−経費=所得となり、上から所得2万5千円、所得千円
となる — 極端で馬鹿げた「何になるんだ?」系のおかしな事業ではあるにせよ、
税法的にはこれは十分に妥当な事業と経費と所得の形ではある。



さあ、やっと「アフィリエイターの現実世界・平均的世界」に戻れば —
あなたはアフィリエイターとして妥当な経費を経費として計上できる。
アフィリエイターとして妥当でない経費なら経費として計上できない。

あなたは「グルメ・ブロガー」であるかもしれないが、そのグルメ・ブログで
年1万2千円稼ぐために1食5千円の寿司やステーキを年104回食べに行くこと
はできない。
あなたがそのグルメ・ブログで年60万円稼いでいれば、1食千円未満の穴場店
の定食を年52回食べ歩き探求することは妥当とみなされるかもしれないが。 ※3

あなたは去年、まだ「個人事業主」でなかった時期に買った9万円のパソコンを
個人事業主となった今年に経費計上することはできない。
今年以降のこれから買うパソコン代金は100%経費として計上できる — たとえ
あなたがそのパソコンを、時間的に30%は「私用」に使うことになっても。 ※4  

あなたは「アフィリエイトの入門書」の類いのみならず、なんなら購入する全
ての雑誌・書籍を経費として計上できる — 何の情報も摂取せず何の学習・趣味
も為していない者が「ブロガー」として稼ぐことは、絶対とは言わずともほぼ
間違いなくできないのだから。
「あなたが今日買った雑誌はあなたのブログとアフィリエイトに1%も資する
ところがない」というのは、いかなる税務署員も言い得ることではない。



この調子で無限にでも続けていけるところだが、一旦締めよう。
「何が経費であり、何が経費でないか」を、他の何の周縁・関連情報もなく言
い切ることは誰にもできない。
たとえば「プロ・アスリートは絶対に、業務にパソコンを必要としないため、
いかなるプロ・アスリートもいかなる経費としてもパソコン代金を経費として
計上できない」などと言い得るだろうか?
それは常にその個別のプロ・アスリート自身の業務・事業形態・収入の形に拠
ることになる。
そしてアフィリエイターの業務・事業形態・収入の形もまた人それぞれとも言
えるが、そこには必ず最大公約数的な「基本線」と言えるものもある。
基本線内にとどまる自分の支出と、「オレは例外的」という基本線枠外の支出
を個別に評価/判断する際に、依拠すべきものはやはり税法の基本、とりわけそ
の法原理である。
法原理と直接的な個別事物を擦り合わせた鋭く包括的な理解には、またもいつ
ものきたみりゅうじの著作をすすめておこう。





今エントリでは、ページ下部の※注釈にコアで法原理的な論考が集中した。
次回以降また適宜、こうした法原理論的かつプラグマティックな小論を放とう。



※1
よほどのことがない限り、開業届や青色申告承認申請が不受理になることはない。
どこの誰が、たとえば「殺し屋」としての開業届をわざわざ出すだろうか?
「常識的」な範囲であれば開業届はそのままスルっと受理され、そして「不受理」
の通知がない限り、それは機械的・自動的に「通った」と考えていい。
よほどの能無しや狂人ででもない限り、開業届が通らないということはない。
また、例として挙げた「小石販売業 涙なし屋」みたいな業種や屋号もまた、分か
り易さと常識に基づいていれば納税者本人の自由に任されており、虚偽や偽計が含
まれない限り、「これこれだからそんな業種は認めません!」なんてこともない。
屋号は名乗るも名乗らないも自由であり、また実用に供するか否かもまた自由であ
る(たとえば漫画家志望者が途中で/作品傾向ごとにペンネームを変えるなど)。

※2
電車賃やバス代などは、その都度領収書/レシートを入手することが困難/煩雑なた
め、記帳のみによる申告が大きく許容されている。
また、「事業」では継続性が認められることが要件の大きなひとつであるため、逆
から言えば、下から2段めの件にあっては「今年は売り上げ6千円、経費2万3千円、
所得マイナス1万7千円にとどまったが、来年からは『黒字』を目指してもっと売り
上げたるぞー!」というのも必ずしも通らない話ではない。
全ては世相の平均実状に照らして 妥当であるか/矛盾だらけで到底許容し難いか に
拠っており、わざわざ馬鹿げた業務形態と申請/申告をしても得することはない。

※3
もっとも厳しいことを言えば、自分の飲食費が何らかの経費として認められること
はごく稀である。
「1食3千円以上のトンカツ弁当を食べずには働くことができない」という人間が発
生することを想像してみればその理由の妥当性が判る。

※4
特に「家事按分」と呼ばれる領域での話だが、ことアフィリエイターにあっては「娯
楽」「私用」と業務の間に厳密な線引きをするのは実質不可能であろう。
筆者自身はパソコン関連の支出は常に100%経費計上する — 否認はおろかひとつの
「お尋ね」すら受けたことがない。


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2016.02.04 / コメント:: 0 / トラックバック:: - / PageTop↑


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